「はぁ〜、優早く帰ってこないかな〜」
優が学校にいってる間、私はお留守番。お兄様が来てくれたらいいんだけどお兄様も忙しいみたいで日中はあまりかまってくれない。
「ただいまです〜」
帰ってきたのは宿敵メクリ、スカートめくり命の妖精の分際でお兄様や優をたぶらかそうとする不届き者だ。
「そういえばメクリ、お兄様に手袋を作ったんだって?」
「はい〜、喜んでくれました〜♪」
むむむ、お兄様にプレゼントとは・・・。
「こうなったら決着を・・・」
とはいっても、この状態では引き分けが精一杯・・・。そうだ!誰かを召喚して・・・
「よくわからないけど、望むところです〜」
「召・喚!」
私とメクリの間に何かが現われた。強い人だといいなぁ・・・。
「うえっ?」
その人は皿うどんを口いっぱいにほおばりながら驚いていた。
「お兄様!?」
まさか、お兄様が出てくるなんて・・・、嬉しい誤算。
「うわ〜、凄いです〜♪」
しっし、私のお兄様に近づくな。
「んぐぐ。なんでセフィとメクリが?って言うかここ・・・何処?」
お兄様の目が点になっている・・・ステキ♪
「お兄様、かくかくじかじか・・・というわけです」
「なるほど・・・」
「今のでわかったんですか〜?」
メクリ通じ合う二人の間に入ってこないでよ。
「全然わかんない・・・」


「というわけです〜♪」
お兄様の皿うどんを食べながら、状況説明。優の作ったのと同じぐらい美味しい〜。
「お兄様ごめんなさい」
「いいよ、気分転換に丁度いいし。よかったらこの辺を案内してくれないかな?」
「お兄様、それじゃあ早速出かけましょう」
「一緒にお出かけです〜♪」
メクリはお留守番してていいのに・・・。


「お兄様手を繋ぎましょう」
「いいよ」
お兄様が笑顔で手を差し出してくれる。
「私も繋ぎたいです〜」
「はい」
くっ、メクリの奴・・・。
「お兄様の手あったかい・・・。むしろ熱い・・・」
「ごめんね、手の体温が普通の人より高いんだ・・・」
はっ、お兄様に謝らせてしまった・・・。ふぉろーしないと・・・。
「心まで暖かくなりそうです〜♪」
「ありがとうメクリ」
はっ、メクリに先を越されてしまった・・・。
「お兄様の手って轟き叫ぶんですね」
「セフィ・・・どうしてそれを・・・?ってゴッドフ○ンガー?」
お兄様、ノってくれて嬉しい・・・。って、ふぉろーになってないよ・・・
「お兄様の手でセフィはヒートエンドしてしまいそうです・・・」
苦笑するお兄様・・・ステキ♪

「あれ?優さんです〜♪」
メクリの指差す方向を見てみると、確かに優がいた。でも・・・。
「・・・」
お兄様は無表情だ。きっと怒っているんだと思う。
「優さんを助けないと〜」
優の方へ向かうメクリを止めたのはお兄様だった。
「駄目だよ、メクリ」
「どうしてですか〜?優さんが・・・」
お兄様は辛そうな顔をして、
「優はあんな所を僕たちに見られたくないと思っているはずだよ。もし、今行ってしまえば優はきっと凄く傷つくと思う。だから、今僕たちにできる事なんて何もないんだよ・・・」
優の事を大切に思ってくれているお兄様はきっとすごく辛いはずだ。
「でも・・・」
納得のいかないメクリにお兄様は優しそうな笑顔で、
「その分、僕たちが優を幸せにしてあげればいいんだよ。嫌な事なんて全部忘れちゃうぐらい」
「・・・はい〜♪優さんを幸せにします〜♪」
やっとメクリが元気を取り戻した。
「お兄様、優行っちゃったみたいです」
優は家に帰ったみたいで道の向こうには優を傷つけた人たちがいるだけ・・・。
「私たちもうちに帰りましょう〜♪」
「そうだね。でもその前に・・・」

お兄様はとびっきりの笑顔を浮かべ、ポケットから
オープンフィンガーグローブを取り出した。
「お兄様?」
「優にあんな事をした事を一生後悔させてやらないと(はぁと)」
ステキな笑顔のままグローブをはめるお兄様、顔と行動が全然合ってない・・・。
「お兄様!?」
「だめです〜」
メクリと二人で止めようとするけど、ずるずる引きずられていってしまう。
「大丈夫だよ。一生ベッドで過ごしてもらうだけだから」
「それは駄目ーーー!」
お兄様、見た目以上に怒っていたんだね・・・。
ってそれどころじゃないーーー。こうなったら・・・
「内臓(はらわた)をぶちまけ・・・」
「お兄様ごめんなさい!」
ガスッ、バタッ
一瞬だけ大きくなってお兄様を杖で昏倒させる。
「セフィ・・・、これからどうするですか?」
「連れて帰ろう・・・」
メクリと二人でお兄様をうちまで運んでいく。


「体が痛い・・・」
途中で目が覚めたお兄様は、体のあちこちをさすっている
。ごめんなさい・・・ひきずったりぶつけたりしちゃったから・・・。
「二人とも迷惑をかけてごめんね・・・。
それにしても何かをしようとしていたような気が・・・」
「わ、忘れてください〜!」
「そうそう、忘れちゃうなんてきっとたいした事じゃないんだよ!」
思い出してしまうときっと大変な事になってしまう・・・。
「確か、何かを退治しようと・・・」
う〜んと考え込むお兄様。お願いだから思い出さないで・・・。
「わ〜わ〜、違います違います〜」
「そ、そう、お兄様は優にプレゼントをしてあげようとしたんです!」
「そう言われてみるとそうだったような気も・・・」
首を傾げるお兄様。早く家に帰らないと・・・。


「ただいま〜」
「ただいまです〜」
やっと家に到着、お兄様はまだ考え込んでる。違う世界に行っちゃったみたいだ。
「おかえりなさい。二人とも何処へ・・・」
出てきた優が固まる。それはそうだ、お兄様が目の前にいるのだから。
「どうして・・・?」
「えっと、そ、そう、優にプレゼント!!」
「セフィ、もしかして迷惑をかけたんじゃ・・・」
優が静かなる怒りの片鱗を見せはじめる。これはぴーんち
「そ、そんなことないよ、ね、お兄様」
やっと戻ってきたお兄様。優に気付いてびっくりしているみたいだ。
「セフィが迷惑かけませんでした?」
「全然そんなことないよ。セフィのおかげでこうしてちゃんと優にも会えたんだし」
お兄様の悩殺スマイルで優もメロメロ〜。
「さあ、優、普段お兄様に言えないこともこの際どどーんと言っちゃいなさい!」
「優さんふぁいとです〜」
「え?え?」
戸惑う優に優しく微笑むお兄様。お兄様の事をもっと好きになった一日でした。

END

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